同窓会にて卒業生の成長に感動!「ありがとう」が一番のごほうび。卒業生に聞いた、作業療法士として働くやりがい
先日、本校の卒業生が集まる同窓会を開催しました。
学生時代を一緒に過ごした仲間たちとの久しぶりの再会。
会場では、懐かしい思い出話や近況報告が飛び交い、笑顔の絶えない時間となりました。
教員にとっても、卒業生との再会は特別なものです。
授業や実習、国家試験の勉強に悩みながらも、一歩ずつ前に進んでいた学生たち。
その卒業生が今では、それぞれの職場で患者さんや利用者さんの生活を支える作業療法士として活躍しています。
話を聞いていると、学生時代よりも少し頼もしくなった表情や、仕事について自分の言葉で語る姿が印象的でした。
今回は、同窓会に参加した卒業生に、現在の仕事や作業療法士として働くやりがいについて聞いてみました。

目次
卒業生 A さん
回復期リハビリテーション病院で勤務
Q. 現在は、どのような仕事をしていますか?
脳卒中や骨折などで入院された患者さんに対して、退院後の生活を見据えたリハビリを行っています。
例えば、着替えやトイレ、入浴、食事などの練習です。
身体を動かす練習だけではなく、自宅に帰った後にどのような生活を送りたいのかを一緒に考えながら、その人に必要な練習を組み立てています。
Q. 作業療法士として、やりがいを感じた出来事を教えてください。
片方の手が動かしづらくなった患者さんを担当したことがあります。最初は、シャツのボタンを留めることも難しく、
「もう自分では着替えられないかもしれない」と落ち込んでいました。
そこで、指先を動かす練習だけではなく、服の選び方や着替える順番も一緒に考えました。何度も練習を重ねて、少しずつ自分でできることが増えていきました。ある日、その患者さんが一人で着替えを終えた後に、
「今日は、自分で全部できた」と笑顔で話してくれたんです。
できなかったことが、少しずつできるようになる。
その変化を近くで見られることは、作業療法士の大きな魅力だと思います。

Q. 学生時代の学びで、今も役立っていることはありますか?
解剖学や運動学などの知識はもちろん大切です。
ただ、働き始めてから特に大切だと感じたのは、患者さんの話をしっかり聞くことです。同じ病気でも、困っていることや大切にしていることは一人ひとり違います。
学校で行ったグループワークや実習を通して、
相手の立場で考えることの大切さを学べたと思います。
卒業生 B さん
高齢者施設で勤務
Q. 施設では、どのような方と関わっていますか?
高齢の利用者さんが、その人らしい生活を続けられるように支援しています。歩く練習や体操を行うこともありますが、それだけではありません。
例えば、利用者さんと一緒に洗濯物を畳んだり、簡単な調理をしたり、季節の飾りを作ったりすることもあります。
一見すると日常的な活動ですが、その人にとっては大切な役割や楽しみにつながっています。
Q. 印象に残っている利用者さんとのエピソードはありますか?
以前、施設での生活になかなかなじめず、あまり会話をされない利用者さんがいました。話を聞いてみると、昔から園芸が好きで、自宅でも花や野菜を育てていたそうです。そこで、施設の小さな花壇で一緒に苗を植えることにしました。最初は静かに作業をされていましたが、次第に、
「この花は日当たりが良い場所に置いた方がいいよ」
「昔はトマトも育てていたんだよ」
と、いろいろな話をしてくれるようになりました。
少しずつ笑顔も増え、ほかの利用者さんと一緒に花壇の手入れをすることも増えていきました。
身体の機能だけを見るのではなく、その人がこれまで大切にしてきたことを知る。
そこから支援の方法を考えられることが、作業療法士の面白さだと思います。

Q. 仕事をするうえで、大切にしていることはありますか?
利用者さんの人生の話を聞く時間を大切にしています。
長く生きてこられた中で、さまざまな経験をされています。
その方が何を大切にしてきたのかを知ると、どのような支援が必要なのかも見えてきます。私自身も、利用者さんから教えていただくことがたくさんあります。
卒業生 C さん
訪問リハビリテーションで勤務
Q. 訪問リハビリでは、どのような仕事をしていますか?
利用者さんのご自宅を訪問して、実際の生活環境の中でリハビリを行っています。病院ではできていたことでも、自宅に戻ると難しい場合があります。
例えば、玄関に段差がある、浴室が狭い、よく使う物が高い場所に置かれているなど、
生活する場所によって困りごとは異なります。
そのため、本人やご家族と相談しながら、動作の練習だけではなく、家具の配置や道具の使い方も一緒に考えます。
Q. 作業療法士になって良かったと感じた瞬間を教えてください。
退院後も、ご自宅での生活に不安を感じている利用者さんを担当したことがあります。特に心配されていたのが、家族に食事を作ることでした。
最初は長時間立っていることが難しく、途中で休憩が必要でした。そこで、椅子に座ってできる作業を取り入れたり、調理器具の置き場所を変えたりしながら、少しずつ練習を進めました。しばらくして、その方が、
「久しぶりに家族にみそ汁を作れました」
「みんながおいしいと言ってくれました」
とうれしそうに話してくれました。
料理ができたということだけではなく、家族の中で自分の役割を取り戻せたことが、本当に
うれしかったのだと思います。
作業療法士は、その人にとって大切な生活を一緒に考え、取り戻していく仕事だと感じました。

Q. 作業療法士を目指す高校生に、伝えたいことはありますか?
作業療法士は、人と関わることが好きな人に向いている仕事だと思います。
最初から特別な知識や技術がある必要はありません。
学校で学び、実習を経験する中で、少しずつできることが増えていきます。
目の前の人に寄り添い、その人が笑顔になる方法を一緒に考えたいと思える人には、とてもやりがいのある仕事です。

「ありがとう」の言葉が、次の力になる
卒業生に話を聞いていると、働く場所や担当する利用者さんは異なっていても、共通していることがありました。
それは、
「一人ひとりの生活に寄り添い、その人が大切にしていることを支えている」
ということです。
着替えができるようになる。
趣味を再開できるようになる。
自宅で家族に料理を作れるようになる。
周囲から見ると小さな変化に思えるかもしれません。
しかし、患者さんや利用者さんにとっては、自分らしい生活を取り戻すための大きな一歩です。
卒業生の一人は、長く担当した利用者さんから、
「あなたがいてくれて良かった。ありがとう」
と声をかけてもらったことが、今でも心に残っていると話してくれました。
もちろん、仕事では悩むこともあります。
思うように支援が進まず、難しさを感じることもあるそうです。それでも、誰かの生活を支えることができたと実感する瞬間や、利用者さんからいただく「ありがとう」の言葉が、次も頑張ろうと思える力になります。
学生時代の学びが、現場で少しずつつながっていく
同窓会で久しぶりに卒業生と話していると、学生時代の姿を思い出します。
授業で難しい内容に悩んでいたこと。
実習を前に、不安そうな表情を見せていたこと。
国家試験に向けて、仲間と励まし合いながら勉強していたこと。
当時は、一つひとつの学びが将来どのように役立つのか、まだ実感できないこともあったと思います。
しかし現在は、それぞれの現場で患者さんや利用者さんと向き合い、自分なりの作業療法を実践しています。
少し頼もしくなった卒業生の姿を見ながら、教員としてとてもうれしく感じました。学校で学ぶ解剖学やリハビリテーションの知識は、もちろん大切です。それと同じくらい、
相手の話をしっかり聞くこと。
相手の立場になって考えること。
チームで協力すること。
簡単に諦めず、方法を一緒に探すこと。
こうした力も、作業療法士として働くうえで欠かせません。
授業や実習で積み重ねた経験が、卒業後の現場で少しずつつながっていきます。
将来の自分を、少しだけ想像してみませんか?
進路選びは、「何を学ぶか」を決めるだけではありません。
将来、どのような仕事をしたいのか。
どのような人になりたいのか。
誰かのために、自分には何ができるのか。
そんなことを考える時間でもあります。
誰かの挑戦を支えたい。
人と深く関わる仕事がしたい。
その人らしい生活を取り戻すお手伝いがしたい。
そのような思いがある方にとって、作業療法士は魅力的な選択肢の一つになるかもしれません。
まずは、実際の学校の雰囲気や学びの様子を見に来てみませんか?
オープンキャンパスでは、作業療法の体験や学校説明だけではなく、先生や在校生と直接話すこともできます。
卒業生たちが歩んできた学びの道を知ることで、自分の将来も少しずつ具体的に見えてくるかもしれません。

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