これで腰痛の不安を解消できる?介助を支える「リフト」のお話

こんにちは、作業療法士科教員の阿曽です。

介護やリハビリの現場では、ベッドから車椅子への移乗やトイレへの移動、入浴など、人の身体を支える場面が多くあります。

その際の大きな課題が、介助者の腰にかかる負担です。

無理な姿勢で抱え上げたり、力任せに移動させようとしたりすると、介助する側が腰を痛めてしまう原因になります。

そこで活躍する福祉用具の一つが「リフト」です。

リフトとはどんな道具?

リフトは、立ち上がりや移動が難しい方を機械の力で安全に持ち上げ、移動を補助するための道具です。

天井にレールを設置するタイプ、床を走らせて移動できるタイプ、お風呂専用のタイプなど、

用途に合わせてさまざまな種類が存在します。

「機械で持ち上げる」と聞くと大がかりに思えるかもしれませんが、本人と介助者の双方を安全に守るための重要な工夫です。

介助者だけでなく、利用者の心身にもやさしい

リフトの魅力は、介助者の腰を守ることだけにとどまりません。

無理な抱え上げは、介助される側に恐怖心を与え、身体をこわばらせてしまうことがあります。

リフトを利用して動作を安定させることで、本人も安心して身体を任せやすくなります。

ただし、単に機械を導入すれば解決するわけではありません。

身体の状態や座る姿勢、ベルト(スリングシート)の位置、移動経路の状況などを適切に見極め、

安全に運用することが不可欠です。

生活全体を見据えて考える作業療法士

作業療法士は、リフトを単なる「便利な道具」として評価するわけではありません。

「ご本人はご自宅でどのような生活を送っているのか」

「ベッドや車椅子の配置は適切か」

「ご家族が介助する場合、どこに一番の負担がかかるか」

といった生活全体を観察し、一人ひとりに適した道具の選定や使用方法を考案します。

福祉用具を有効活用することは、本人が安心して暮らせる環境をつくるだけでなく、

支える家族やスタッフの負担軽減にもつながります。

福祉用具を通じて知る作業療法士の仕事

リフトをはじめとする福祉用具には、人の生活を陰で支えるための知恵と工夫が詰まっています。

作業療法士は、単に身体の機能を回復させるだけでなく、

「どうすれば安全に暮らせるか」

「どうすれば介助者も無理なく関われるか」

までをプロデュースする仕事です。

オープンキャンパスでは、こうした福祉用具やリハビリテーションの考え方に触れられる機会を設けています。

実際の道具に触れて体験することで、作業療法士という職業の魅力をより身近に感じていただけるはずです。

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