臨床検査技師と臨床工学技士の違いは?6つの項目で徹底比較

「臨床検査技師」と「臨床工学技士」は、名前が似ていることからよく比較される職種です。

どちらも医療機器を扱う職種ですが、仕事内容や働き方などは異なります。

このブログでその違いを詳しく見てみましょう。

※一例としてご覧ください。臨床検査技師や臨床工学技士に興味がある方のご参考になれば幸いです😊

まずは一番気になる仕事内容について比較してみました。

◆臨床検査技師

臨床検査技師は、血液や尿、便、脳波など、さまざまな「検査」をする仕事です。

イメージしやすいものだと、健康診断で受ける血液検査や聴力検査、尿検査でしょうか。

臨床検査技師が行う検査には、他に微生物検査、生理検査、超音波検査などがあります。

近年はオートメーション化が進んでいることから、検査には基本的に機械を使います。

ただし、生理検査や微生物検査のように臨床検査技師自らが手や目を使って行う検査もあり、機械を操作するだけではない、専門的な知識やスキルが求められます。

◆臨床工学技士

臨床工学技士は、あらゆる医療機器に精通しており、機械で患者さんを守り、治療に携わる仕事です。

中でも人工呼吸器や人工心肺装置などの生命維持管理装置と呼ばれる機器は、ますます高度化・複雑化していて、専門家である臨床工学技士が必要とされています。

他にも、輸液ポンプ、心電図モニター、血液透析装置、レーザー治療装置、超音波手術装置などがあり、いずれも患者さんの治療・診断に欠かせない医療機器が安全に使用できるように管理・保持点検を行うのも臨床工学技士です。

>>臨床工学技士の仕事内容を詳しくチェック

 

臨床検査技師と臨床工学技士の違い②勤務先

続いては、臨床検査技師と臨床工学技士の勤務先を見てみます。

基本的にどちらも病院勤務となることが多いですが、病院以外にもいくつかの勤務先がありますので見てみましょう。

◆臨床検査技師

臨床検査技師は病院、クリニックに勤めるケースが大半ですが、近年では検査を臨床検査センターへ委託することも多く、臨床検査センターで働く場合もあります。

臨床検査センターで働く場合は、患者さんと直接会わず、検査をメインに働くことになります。

この他、研究機関や製薬会社、保健所に勤務する臨床検査技師もおり、その場合の業務は「患者さんの検体検査」とは異なる可能性が高いため、事前によくリサーチすることをおすすめします。

◆臨床工学技士

臨床工学技士も多くの方は総合病院や大学病院、クリニック、医療機器メーカーなどに勤めています。

日勤勤務が基本となるような透析クリニックや、救急外来を受けている病院だと夜間当直やオンコール担当になることもあります。

また、最近では在宅医療やAIを活用した取り組みも注目を集めており、臨床工学技士の活躍フィールドがますます広がっています。

 

臨床検査技師と臨床工学技士の違い③給与

将来の仕事として選ぶなら、給与や年収もきちんと把握しておきたいですよね。

給与は、勤務先や経験年数によって異なります。ここでご紹介するデータはあくまで一例になります。

◆臨床検査技師

厚生労働相「令和6年賃金構造基本統計調査」によると、臨床検査技師の平均年収は504.3万円となっています。(厚生労働省jobtagより)。

臨床検査技師の多くは、病院や診療所、臨床検査センターなどに勤務しておりますが、医学・衛生関係研究機関、製薬会社、保健所などで働いている人もいます。

◆臨床工学技士

臨床工学技士の平均年収は430.2万円と、臨床検査技師とほぼ変わりません(厚生労働省jobtagより)。

臨床工学技士の場合、アルバイトやパートタイマー、また出産後に時短で働くこと等も可能です。

また、当直や残業や緊急時の呼び出しを担当すると手当てが付くため、働き方次第ではより多くの給与が見込めることもあります。

参考:厚生労働省jobtag

 

臨床検査技師と臨床工学技士の違い④適性・スキル

臨床検査技師と臨床工学技士は、それぞれどんな適性・スキルが求められるのでしょうか。

◆臨床検査技師

臨床検査技師に求められるのは、「検査」に関する幅広い知識です。

臨床検査技師は多くの検査に関わるため、基礎医学や統計的知識も必要となります。
また、検査の結果から、患者さんの病気の原因を探ったり、体のデータをとったりするため、得た情報でさまざまな判断を下すための、検査に関する知識が欠かせないのです。

もちろん、検査を正確に行うための技術も大変重要になります。

検査を通して患者さんの命を守る。そんな責任感も求められるでしょう。

◆臨床工学技士

臨床工学技士に求められるのは、医療機器に関する幅広い知識です。

医療機器を通して患者さんの命を守るため、症状や状態に合わせてどのように機器を準備したらよいかを医師や看護師など他職種とチームとなって考え、医療機器を操作・保守・管理します。

患者さんに安全な医療を提供するためには、臨床工学技士が不可欠なのです。

 

臨床検査技師と臨床工学技士の違い⑤養成校について

臨床検査技師、臨床工学技士はともに専門性の高い職種であるため、国家資格を取得するためには大学や専門学校などの養成校で必要科目を履修しなければなりません。

では、どんな学校があるのかを一緒に見ていきましょう。

◆臨床検査技師

臨床検査技師の場合、大学もしくは3年制以上の専門学校などで決められた課程を修了する必要があります。

◆臨床工学技士

臨床工学技士の場合も、高校卒業後、大学や3年制以上の専門学校で専門教育を受けて国家資格の受験資格を取得します。

また、医師や看護師などの他の医療学校や医用工学系の大学で必要な専門科目を履修したうえで1〜2年の短期コースを修了することでも受験資格が得られます。

姫路医療専門学校の臨床工学技士科であれば、最短3年で国家試験がめざせます。

カリキュラムや学校生活に興味がある方はお気軽に学校案内をご覧ください。

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臨床検査技師と臨床工学技士の違い⑥国家試験の難易度

最後に、臨床検査技師と臨床工学技士の国家試験について合格率などを見ていきましょう。

◆臨床検査技師

臨床検査技師の資格を取得するためには国家試験に合格しなければなりません。

国家試験を受験するためには、指定された専門科目を履修することが決まっているため、大学や専門学校などへの進学は必須です。

ここで、国家試験合格率の全国平均を見てみましょう。
75.9%(2022年度)
77.6%(2023年度)
76.8%(2024年度)
84.6%(2025年度)

例年70~80%代の合格率です。

参考:資格・検定の森

◆臨床工学技士

臨床工学技士の資格を取得するまでのルートは、臨床検査技師とほぼ同じです。
大学や専門学校の養成所で指定の科目を履修し、国家試験に合格することで国家資格が取得できます。

国家試験合格率の全国平均を見てみましょう。
82.1%(2022年度)
84.2%(2023年度)
80.5%(2024年度)
78.9%(2025年度)

参考:資格・検定の森

ちなみに、姫路医療専門学校の臨床工学技士科では、2024年3月卒業生の国家試験の合格実績が84.4%と、高い水準を誇っています。

臨床検査技師と臨床工学技士の違い まとめ

今回は臨床検査技師と臨床工学技士の違いについて、ご紹介しました。

臨床検査技師と臨床工学技士は、仕事内容や働き方こそ異なりますが、どちらも「誰かの役に立ちたい」という思いが活かせる仕事です。

何の業務をするかだけでなく、自分に合った働き方を選んで、自分らしく活躍できる職業を見つけてください。

ここまでお読みくださり、ありがとうございました。

 

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