病院内の医療器具を清潔に保つヒミツ道具!その原理をご紹介!

こんにちは!
姫路医療専門学校、臨床工学技士科教員の三村です。

ブログをご覧の皆様、いきなりですが『減圧沸騰』というコトバをご存じですか?
( ,,`・ω・´)ンンン? どこかで聞いたことあるような、、、ないような、、、

今回は自宅でできる簡単な実験を例に、『減圧沸騰』についてご説明します。
またこの原理を活用して、病院内のあらゆる場所で使用されている医療器具、それらがどうやって清潔に保たれているのか、そのイチブをご紹介しちゃいます。

 

まず、注射器の中に(20ml以上の大きめのサイズがオススメ)約50℃のぬるま湯を注射器全体の1/3程まで入れ、注射器の先端部分に市販のストローなどを短くカットしたもの(だいたい5センチくらい)をねじ込んで先端を半分に折り、クリップなどで密閉し空気が入らないようにします。

その状態で注射器のピストンを強く引っ張ると、なんとぬるま湯が沸き立つように見えます😲
(水が沸騰するのは100℃なのに、なんでだろう(・・? というフシギな体験ができますよ。)

実は水が100℃で沸騰するのは、その場所が1気圧という条件下でおこるんです。
ということは、気圧が変われば、水が沸騰する温度も変わるということです。

ビーカーに入った沸騰石のイラスト

ちなみに「沸騰」という言葉を辞書で引くと、「液体がその内部で気化する現象」と書いてあります。
沸点に達することで、液体の表面だけでなく、内部でも液体から気体に変わろうとする現象が起こるのを沸騰というのです。

水が沸騰するためには、気化した水蒸気の圧力が大気圧を超える必要があります。

水を加熱すると分子の運動が活発になって、水蒸気の圧力が高くなります。
約100℃に達すると、水蒸気の圧力が1気圧(大気圧)を超えて沸騰が始まるのです。

注射器に水を閉じ込めてピストンを引くと、水にかかる圧力が大きく下がるので、100℃よりかなり低い温度でも沸騰するというカラクリなんですよ(@ ̄□ ̄@;)!!

みなさんもこのような体験はありませんか。
例えば高い山を登山したときに、温度が低いのに水が沸騰しているなんて体験!
(上空1500mでは、95℃。 富士山頂では87℃くらいに沸点が下がります!化学のチカラってスゴイ!)

おっとっと、少し余談がすぎました😵

 

ここからが、この減圧沸騰が病院内のどこで使われているのかご紹介しちゃいます。
実は、一部メーカーの医療器具の除染用洗浄器にも活用されているんです😁

医療器具といえば、手術の際に使用するコッヘルやペアンといった手術器具が代表的です!
なんと安心安全な手術に、一役買っているんです<(`^´)>

臨床工学技士はこのような、医療器具の洗浄や滅菌に関することも学びます。

臨床工学技士の仕事についてもっと知りたい方は、職業体験ができるオープンキャンパスに参加してみてはいかがでしょうか?
お待ちしています!

ブログカテゴリー