作業療法士と理学療法士の違いって?<作業療法士科通信①>
姫路医療専門学校のホームページに
お越しいただきありがとうございます!
いよいよ初夏の日差しが
本格的になってきました。
開設準備室前の大手前通りも
日増しに観光客の方が増えてきている気がします(^^)
さて、夏本番を前に、高校生や
進学を考える社会人の方にとって、
いよいよ進路選びの本格シーズン到来!
という時期に入りました。
姫路医療専門学校では、
そんな皆さんのために、「医療系進学についての
よくある質問」をまとめた情報を定期的に発信していこうと思います!
今回はまず第一弾!高校生からも質問が多い
「作業療法士と理学療法士の違い」についてです!
少し長いですが、最後まで見ていただけたら、
参考になる情報がたくさんありますよ!
それではどうぞ!
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◆医療系進学を考えたきっかけ
進路を考える上で、
「人の役に立ちたい」
「人と関わる仕事をしたい」と思い、
そこから医療関係の職業を
考えることが多いようです。
医師や看護師といった職業から
他にどのような職業があるのか
調べていくうちに
医療関係の職業の多さを知り、
リハビリテーションいう言葉や、
理学療法士・作業療法士といった職業が
あることを知ったのではないでしょうか?
そこで、今回は医療系進学を検討する方から
よくある質問、『作業療法士と理学療法士の「違い」』について考えてみたいと思います。
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◆作業療法士は国が定めた「国家資格」。
進学前に作業療法士をよく知ることが大切です。
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まず、当たり前なことかもしれませんが、
作業療法士、理学療法士と
それぞれに名称が異なります。
また、大学や専門学校などに
入学してからそれぞれの分野を決定するのではなく、
入学前にどちらの学科にするか決定してから学校を受験することになります。
すなわち、入学前に「将来の仕事」を
しっかりと調べ、自分に合った職業を
選ぶことが必要になりますね。
作業療法士学科で学んだ方のみが
作業療法士の国家試験を受験できる
資格を与えられることになり、
その国家試験に合格した方のみが晴れて
「作業療法士」と名乗ることができます。
これは「名称独占」と言って
日本の法律で決められているものです。
しかし、理学療法士や作業療法士が行う
「治療そのもの」には
独占できる権限はありませんので、
他の職種の方々がこの後に述べる援助などを
行っても法律上はなんら問題になりません。
もちろん基本的にこれらの援助は
医師の指示のもとに、
処方箋と呼ばれるものを出された上で行いますので、
理学療法そのものや作業療法そのものを
他の職種の方々は行えないことが前提になります。
これは、その援助そのものが治療と呼ばれていて、
病院などでは診療報酬という形で
患者さんから治療の費用をいただきますが、
治療者の名称に理学療法士や
作業療法士が行うことと明記されているからです。
理学療法士は、寝返りや起き上がり、
立ち上がりから歩行などといった
日常生活において必要な基本動作と呼ばれているものができるようになるために、身体の基本的な機能回復を支援する専門家です。
少し専門的になりますが、
理学療法には2大治療法と呼ばれているものがあり、
先ほど述べました歩行などの練習を行う「運動療法」と、電気刺激や温熱などといった機器を使用して痛みなどといったものを取り除く「物理療法」があります。
これらの治療を用いて、
身体の機能や動作の回復をうながし、
自立に向けた日常生活を送れるように援助します。
作業療法士は、更衣や入浴、排泄、食事、整容などといった日常生活の活動や、手工芸やレクリエーションなどのあらゆる作業活動を通して、身体と心のリハビリテーションを行う専門家です。
また、社会復帰に向けた職業前訓練などや
福祉用具や自助具といった用具を
使用して日常生活などの活動を送りやすくすることなども行っています。
理学療法士と異なる点としては、
作業療法士は統合失調症やうつ病などの
精神障害の患者さんも対象としていて
幅広い現場で活躍しています。
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◆それでは、具体的に患者さんが病気で入院されてから、退院されるまでの流れの中で、さらに作業療法士と理学療法士の仕事についてふれてみましょう。
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患者さんの名前は姫子さん(仮称)、50歳の女性。
それまで特に生活に困ることはなく、
その日も普通に生活していました。
ある日、何の前触れもなく、
ご自宅で突然意識を失い救急車で病院に運ばれ
医師に診断されたのは脳卒中。
幸い命に別状はなかったのですが
半身の麻痺がありました。
担当医師は薬などを使った治療に並行して、
リハビリテーション科に処方箋を出します。
ここからが療法士の仕事です。
担当の理学療法士と作業療法士が決まり、
看護師も交えてチーム医療が始まりました。
まず、始めに理学療法士と
作業療法士が行ったことは「カルテ」と呼ばれる
姫子さんの病気や治療の内容などが
記載されたものを確認することです。
実際に、姫子さんとこれまでのことや
現状での困りごとなどを
じっくり聞くことから関わりはスタートします。
安心してリハビリを受けていくためには
こうしたやりとりの中で患者さんとの
信頼関係の構築することが
とても大切になってきます。
体の状態を確認するために
「測定」や「検査」などを行い、
治療方針が決定したところで
実際に理学療法と作業療法が開始されます。
理学療法士は主に半身の麻痺を
回復できるように動かしながら治療していきます。
そして、実際にベッドから
歩行までの練習を行っていきます。
作業療法士は主に麻痺した手を使用し
生活上のさまざまな活動ができるよう治療していきます。
また、現状の状態でも
すぐに生活上で困りごとを減らせるよう
さまざまな福祉用具や自助具を使用してもらいながら治療していきます。
徐々に回復が見られるようになると、
担当の医師から退院に向けての準備をするように担当の理学療法士と作業療法士に指示が出されます。
そこで、自宅の訪問をすることになります。
実際に自宅の状況を確認しながら、
姫子さんには自宅内を移動してもらったり、
さまざまな活動を行ってもらったり、
実際の自宅での生活を考慮した上での治療が続きます。
担当の理学療法士は玄関の段差と
廊下での移動に手すりを利用してできるよう
治療を行いました。
作業療法士は姫子さんが台所での調理と
外で洗濯物を干すことができるよう治療を行いました。
そして、姫子さんがある程度
自宅で過ごせる目処も立ち、
ようやく退院となりました。
このように理学療法士と作業療法士は
お互いに協力し合いながら
それぞれ援助を行うことになります。
これはあくまでひとつの例ですので、
病院や施設の機能といったものや
患者さんの状態によっても大きく違う場合があります。
これらをまとめると、
理学療法士と作業療法士は名前が違うため
その免許の名称も違い、
国家試験に合格した者以外が
その名称を名のることはできません。
また、その仕事の内容について
理学療法士は身体を中心に、
運動や機械を使って日常生活を送れるよう援助していきます。
そして、作業療法士は身体と心の両面を
バランスを見ながら生活全般を幅広く援助していきます。
このようなことが、主な理学療法士と
作業療法士の違いになります。
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- 【学校名】 学校法人神戸滋慶学園 姫路医療専門学校 兵庫県認可の専修学校 / 厚生労働省指定の養成施設
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- 【交通】 JR姫路駅東口より歩行者専用デッキで徒歩4分
- 【学科】 ■作業療法士科〈昼間部3年制〉 ■言語聴覚士科〈昼間部3年制〉 ■臨床工学技士科〈昼間部3年制〉 ■救急救命士科〈昼間部3年制〉※2024年4月 誕生!