「話す」「聴く」「食べる」
生きる喜びに直結する
リハビリを行う医療国家資格です
言語聴覚士とは
これらの障害を持つ患者さんは、見た目では障害があると分からないため、他の方から理解されにくいこともあります。言語聴覚士は、そんな患者さんの不安な気持ちに寄り添い、心と心をつなぐ橋渡し。ご本人やご家族とともにその方らしい生活や人生の回復をめざして支援しています。言語聴覚士は1997年に国家資格となった医療職の中でも比較的新しい仕事です。有資格者は全国で約30,000人ほどで、これからの社会の中でますます活躍が期待されています。
▼動画でわかる言語聴覚士のお仕事
女性が多い理由は…
□夜勤がなく、就業時間が規則的
□体力を使わないので長く続けられる
□育休・産休を取りやすい
言語聴覚士の仕事内容
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ことばの訓練声を出すことやスラスラと話すことが難しい方に対して、評価・訓練を行います。声帯や唇、舌など運動機能の回復も行います。
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聞こえの訓練聞こえの障害(聴覚障害)のある方に、検査や補聴器・人工内耳のリハビリテーションを行います。高齢者の難聴音には、聴力検査や補聴器の適合訓練をしていきます。
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飲み込みの訓練食事がうまく摂れない摂食嚥下障害の方の状態の把握、食事時の観察・訓練を行います。口や舌の動かし方の指導や筋力負荷訓練を行うこともあります。
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こどもへのリハビリことばの発達の遅れや対人関係が困難なお子さまに対して「ことばやコミュニケーションへの関心」を育てます。単語や文法、文字などことばの獲得を支援します。
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記憶の訓練会話が理解できない、記憶力が衰えるなどの患者さんに対して、図形のカードや積木などを用いて心理や知能の検査、会話訓練を行います。
言語聴覚士が活躍できるフィールド
赤ちゃんから高齢者の方まで対応する言語聴覚士は、総合病院、リハビリテーション病院、クリニック、介護老人保健施設、療育施設、放課後ディサービスなど医療機関だけでなく福祉や教育機関などでも求められています。
今後は、高齢化社会に伴い、在宅での生活を目標としたリハビリの必要性が高まります。
通所リハビリテーションや訪問リハビリテーションといった分野でも、言語聴覚士の活躍するフィールドが広がってきています。
言語聴覚士の1日の流れ
働く場所やシフトによって違いはありますが、一般的には朝から夕方までの勤務となります。
急患の対応ではなく決まった時間に訓練をすることが多いので、1日の流れが比較的決めやすくなります。
夜勤がほとんどなかったり定期的に休みが取りやすい仕事なので、働きやすい環境です。
<病院勤務の例>
- 8:30-
医師、看護師、理学療法士、作業療法士、介護福祉士、他の医療スタッフとミーティング行い、患者さんの状況確認や情報共有をします。
他のスタッフが患者さんにどのようなことをしているのか知ることができ、スタッフ同士の伝達がスムーズになります。 - 9:00-
午前中の訓練を始めます。
日にもよりますが、数名の患者さんを見ることが多いです。 - 12:00-
患者さんがきちんと食事ができているか、食べている物は今の状態に合ったものなのか、量は適量なのかなどを判断する「食事評価」を行います。
- 13:00-
昼休憩
- 14:00-
午後も午前と同様に複数名の患者さんを訓練します。
夕方の時間になると、小学校から下校してきたお子さんの訓練をすることもあります。 - 17:00-
訓練が終了すると患者さん一人ひとりのカルテを書き、患者さんの状態の把握、次はどんな訓練を行うか計画を立てます。
<療育施設勤務の例>
療育施設とは:療育とは、「治療」と「保育・教育」を合わせたもの。
障害のあるお子さんが入所および通いながら、社会的に自立できるように、生活に必要な知識技能を専門的なプログラムを通してトレーニングする施設。
- 8:30-
スタッフ同士で利用者さんの状況確認や連絡事項を共有します。
- 9:00-
午前中は、外来患者さんのリハビリを数名行います。
- 12:00-
利用者さんが食事をうまく摂れているか、食べる姿勢は正しいか、などをチェックします。
- 13:00-
昼休憩
- 14:00-
午後からは、施設に入所している利用者さんのリハビリを数名行います。
子どもの場合、少人数制のグループホームの中で子どもの反応や状況を細かく観察します。 - 17:00-
お子さんの様子をカルテに記入し、引継ぎの準備や翌日のリハビリの計画を立てます。
<放課後デイサービス勤務の例>
放課後デイサービスとは:障害のある主に小学生~中学生が、放課後や学校休業日に通い、生活力向上のためのプログラムを行う施設。
掃除や料理など日常生活に必要な力を養うところや、運動や楽器・絵画などの独自プログラムを行っているところなど施設ごとで様々な取り組みを行っています。
- 10:00-
スタッフミーティングで、当日来られる方の確認、実施するプログラムの準備を行います。
- 10:30-
夏休みなどの長期休みには午前中からプログラムが行われることもあります。
- 12:00-
昼休憩
- 13:00-
放課後に来る児童たちの対応準備を行います。
- 15:00-
決まったプログラムのほか、自由遊びの時間や宿題をする時間など数時間の中で様々な取り組みを行います。
その中で、一人ひとりの児童の発達段階や個性にあわせて目的を持って指導にあたります。 - 17:00-
保護者の方がお迎えに来られ、児童たちが帰宅すると片付け、引継ぎを行います。
言語聴覚士のやりがい
兵庫県立リハビリテーション
中央病院
言語聴覚士岡村 佐和子先生
日常生活の中では、ごく自然である「話す」「聴く」といったコミュニケーションや「食べる」ことなどに携わるリハビリです。
この当たり前であることの大切さを実感できる仕事であるからこそ、訓練によって改善された時には、患者さんと共に達成感を味わうことができる「やりがいがある仕事」です。
兵庫県立リハビリテーション
西播磨病院
言語聴覚士三島 瑠美子先生
嚥下障がいの患者さんがよく言われるのが「食べることがこんなに楽しいことだったんですね」ということ。
ごく自然な動作だからこそ、再び出来るようになった喜びは計り知れません。
そんな感動を患者さんと分かち合えるのが、この仕事の魅力です。
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言語聴覚士が果たす役割とその重要性は?
「話す」「聴く」「食べる」は人生の楽しみだけでなく、生きることに直結する動作。子どもから高齢者まで、長いスパンで患者さんに関わる仕事です。また、脳卒中や認知症による言語や食事の障がいが増えていることもあり、言語聴覚士のニーズが高まっています。
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今後の言語聴覚士の活躍の場は?
都市部では言語聴覚士によるリハビリが浸透していますが、地方ではまだまた不十分。当院にも「地元に言語聴覚士がいないから」と、何時間もかけて通院される患者さんがいます。より良い医療のために、地方で活躍する言語聴覚士の増加が望まれます。
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これから言語聴覚士を目指す人へ。
嚥下障がいの患者さんがよく言われるのが「食べるのがこんなに楽しいことだったんですね」ということ。ごく自然な動作だからこそ、再び出来るようになった喜びは計り知れません。そんな感動を患者さんと分かち合えるのが、この仕事の魅力です。
医療法人社団 西宮回生病院
言語聴覚士宇野 美幸先生
高次脳機能障害(こうじのうきのうしょうがい)、嚥下障害(えんげしょうがい)、認知症など様々な症状の方に対して治療・訓練を行うので、その人に合った訓練方法を考えたり、先輩や他職種スタッフの方とコミュニケーションを取りながら働いています。
言語聴覚士に向いている人とは
- 01.人と接することが好きな人
言語聴覚士は、1対1で患者さんと向き合う仕事です。「話すことが得意」でなくでも大丈夫。
相手の言うことにじっくり耳を傾けられる聞き上手な方、人と接することが好きな方は長所が活かせる仕事です。- 02.子どもの発達に興味がある人
言語聴覚士が働く場所の中に、小児リハビリを専門にしたところがあります。
ことばの発達やそのお子さん自身の成長を一番近くで見られるので、子どもと関わる仕事に興味がある方はやりがいを感じられる仕事です。- 03.心理に興味がある人
患者さんは、「これからどうなるんだろう」という不安をお持ちで、悩みを相談したくてもことばが出ない事があります。
言語聴覚士は、そんな「声にならない不安」をお持ちの方々に寄り添うので、心のケアに興味がある方はその力が活かされます。- 04.「手に職」の証。国家資格を活かして働きたい人
医療の仕事は、医師、看護師、薬剤師、医療事務など様々あります。
「テキパキ働くよりもじっくり患者さんと向き合いたい」「できれば夜勤がない仕事が良い」など、自分がどんな働き方をしたいかを考えてみてください。
言語聴覚士は、女性が活躍できるよう産休・育休制度が充実しています。
国家資格を取り一生「人の役にたつ仕事」がしたい方は、言語聴覚士に向いているかもしれません。
言語聴覚士のなりかた
言語聴覚士として働くには、国家資格を取得することが必要です。国家資格を取る方法は、一般的には大きく分けて3つのルートがあります。
一般教養も含め幅広い学問を学びたい方やカリキュラムや学生生活など自主的に行い方は4年制大学、できるだけ早く国家試験に挑戦し、就職してキャリアを積みたい方は最短2年制・3年制の学校が候補となるでしょう。
言語聴覚士の国家試験について
言語聴覚士の国家試験は、年に1回開催されます。
言語聴覚士の学校では、国家試験を受験するために必要な科目を、講義や演習・実習で学びます。
開催時期 | 毎年2月 |
開催場所 | 北海道、東京都、愛知県、大阪府、広島県、福岡県 |
試験内容 | 基礎医学、臨床医学、臨床歯科医学、音声・言語・聴覚医学、心理学、音声・言語学、社会福祉・教育、言語聴覚障害学総論、失語・高次脳機能障害学、言語発達障害学、発声発語・嚥下障害学及び聴覚障害学 |
試験形態 | 筆記試験(5肢択一式) |
試験問題数 | 200問(午前中100問、午後100問) |
合格基準 | 120問以上 |
姫路医療専門学校の特徴
2018年4月に姫路駅前に誕生した新しい学校の学びの特徴をご紹介します。
- 01
最新の校舎・設備を整備。充実の学習環境の中、プロをめざします。
- 02
高齢者住宅や保育園が入った医療・福祉の施設が隣接。実習先がすぐそこに。
- 03
校内に本物の臨床現場である「ことばと発達の相談室」を設置。
- 04
段階的かつ豊富な実習時間を設けたカリキュラムで、現場に強い言語聴覚士をめざします。
- 05
担任制で、学生生活や就職、国家試験など万全のサポート体制。
姫路医療専門学校に入学した
先輩の声
言語聴覚士を目指して日々学んでいる
姫路医療専門学校の在校生をご紹介します。
言語聴覚士科
兵庫県立龍野北高等学校出身新田 晃弘さん
困っている人を助けたいと思い、言語聴覚士に
最初は理学療法士も考えていましたが、看護師の母からの勧めや、言語聴覚士は人数がまだ足りていないことを知り、目指しました。
学内に実際の子供と関わる実習室があり、実践的な環境で学んでいます。
言語聴覚士科
岡山県立倉敷中央高等学校上田 愛さん
岡山県から姫路へ
集中して学べると思った学校を選択
家族がお世話になった事から、言語聴覚士を目指しました。
岡山や関西の専門学校を調べている中、先生方が親身になって相談に乗ってくださったことがきっかけで、入学を決めました。
色んなお店があって暮らしやすい姫路で、一人暮らしと勉強を両立して頑張っています。
言語聴覚士科
伊藤 美咲さん
- 神奈川の高校〜短大
- 歯科衛生士
- 入学
「もっとできることを」歯科衛生士からのキャリアチェンジ
歯科衛生士の業務を通じ、「話しにくい」という患者さんの声をどうにかできないかと思った時に言語聴覚士を知りました。
いとこに軽度の構音障がいがあり、リハビリを受けているなかで
全国で学校を探している中で学校の雰囲気が良いなと思い、社会人入試を受験。
グループ学習やテスト対策もしっかりとあり、クラスメイトと共に頑張っています。
言語聴覚士科
川上 紗恵子さん
- 短期大学卒業
- 保育士
- 入学
保育士の経験を活かして言語聴覚士へ
入学前、保育士として働いていたときに発達障害のお子さんと関わることがありました。
言語療育の研修に参加したときに言語聴覚士の存在を知り、子どもの発語をサポートできる人になりたいと思い、
言語聴覚士をめざしました。入学前は、仕事を辞めて入学することや年代が違うクラスメイトと上手く関われるか、
不安がありました。実際に入学すると同じような経験をしている人がいてみんなお同じ目標に向かって勉強しているので、
毎日良い刺激を受けています。
言語聴覚士科
入学前:介護業界勤務井上 誠司さん
- 専門学校卒業
- 介護職
- 入学
介護職から言語聴覚士へ
入学前は介護福祉士として老人保健施設で勤務していました。
食べることができない方に対して専門的なことができなく、
何とかサポートしたいという気持ちを持ちました。
また、父が脳梗塞の後に失語症となり、コミュニケーションが取れない苦悩とその父に対して
どう接してよいか分からずにいた母の姿を見て、患者さんやその家族の悩みを
和らげることのできる医療従事者になりたいと思い、言語聴覚士を志望しました。
言語聴覚士科
兵庫県立赤穂高等学校出身脇坂 拓紀さん
患者さんに寄り添った言語聴覚士に
私は小学校のときに入院した際、医療に携わる方をたくさん見てきました。
いとこに軽度の構音障がいがあり、リハビリを受けているなかで
担当の先生は子どもがリハビリ中に飽きさせないように工夫してくれていると聞きました。
その結果、構音障がいは改善され、叔母が大変喜んでいました。
いとこを担当してくれた先生のように、
一人ひとりに合ったリハビリができる力をつけたいと思っています。
人と話すことが好きな自分にとって向いていると思ったから
自分が入院したときに、言語聴覚士さんにお世話になったことがありました。
自分が入院したときに、言語聴覚士さんにお世話になったことがありました。
人とのコミュニケーションや患者さんの変化をよく見ることが大事な仕事だと感じ、「人と話すこと」が好きな私の性格が活かせるのはこの仕事だと思い、志望しました。患者さんの気持ちに寄り添える言語聴覚士になりたいと思います。
子どもの発達を支援できるから
母がもともと介護の仕事をしており、「療育(こどもの発達支援)を必要とする子どもたちの未来を明るいものにするために、たくさんの人が関わっている」と聞き、言語聴覚士の仕事を教えてもらいました。
母がもともと介護の仕事をしており、「療育(こどもの発達支援)を必要とする子どもたちの未来を明るいものにするために、たくさんの人が関わっている」と聞き、言語聴覚士の仕事を教えてもらいました。
子どもさんの成長に関わるのは責任も大きいと思いますが、子どもさんや保護者の方に寄り添い、サポートがしたいと思っています。
吃音の友人がいて、
何かできないかと思ったから
友人に吃音があり、悩んでいる姿を見てきました。
友人に吃音があり、悩んでいる姿を見てきました。
友人のような方をサポートできる仕事はないかと探してみると、言語聴覚士をみつけました。言語聴覚士は、ことばだけではなく聴覚や嚥下、発達支援など幅広く患者さんをサポートできるので、たくさんの方の役に立てるのではないかと思い、志望しました。
自分らしく働ける
仕事だと思ったから
言語聴覚士はリハビリ職のため、じっくり患者さんと向き合えるのが自分にあった仕事だと思いました。
言語聴覚士はリハビリ職のため、じっくり患者さんと向き合えるのが自分にあった仕事だと思いました。
人の役に立てることはもちろん、夜勤や急患の有無など、自分にとって一番続けやすそうな働き方や、できるだけ早く資格が取得できるものと考えたときに、言語聴覚士がぴったりでした。
言語聴覚士科
オープンキャンパス
オープンキャンパス
- 【学校名】 学校法人神戸滋慶学園 姫路医療専門学校 兵庫県認可の専修学校 / 厚生労働省指定の養成施設
- 【所在地】 〒670-0927兵庫県姫路市駅前町27番2 tel.0120-616-187/079-226-8115 fax.079-226-8116
- 【交通】 JR姫路駅東口より歩行者専用デッキで徒歩4分
- 【学科】 ■作業療法士科〈昼間部3年制〉 ■言語聴覚士科〈昼間部3年制〉 ■臨床工学技士科〈昼間部3年制〉 ■救急救命士科〈昼間部3年制〉※2024年4月 誕生!