こんにちは、臨床工学技士の三村です。

先週、月9ドラマ「PICU」が始まりましたね。

小児医療のドラマは今までにも「小児救命」や「グッドドクター」などがありましたが、
今回のドラマで主演の吉沢亮さんは、優しく素敵な医師の姿を演じられていましたね。

さて、このドラマは小児集中治療室を舞台としていますが、小児医療の現場にはドラマには描かれない様々な場面があります。

今回のブログでは、そんな小児医療についてお話しようと思います。

【目次】
■子どもの病院
■子ども医療の難しさ
■子ども医療の喜び
■患者さんから信頼される医療従事者とは

■子どもの病院

子どもの病気＝小児科というイメージが一般的だと思いますが、
子どもを専門とする総合病院では、小児科は一般的な「内科」の役割を担っています。

それ以外では、
新生児科
外科
皮膚科
眼科
心臓血管外科
整形外科
など、様々な診療科に分かれています。

「子どもは小さな大人ではない」という言葉を聞いたことがある方もおられるのではないでしょうか。

大人の身体とこどもの身体、
大人の病気とこどもの病気は全く違うため、大人の病気を専門にしている病院に子どもを連れていっても、対応が困難だということです。

子どもさんは、子どもの専門医がいる病院で診てもらう必要があります。

 

■子ども医療の難しさ

例えば生まれたての赤ちゃんは会話をすることができませんし、
小さなお子さんだと「どこがどう痛いのか」を伝えることが難しいこともあります。

このように、子ども医療の難しいところは、患者さんと意思の疎通がとりにくいところにあります。

そこで、私が病院にいた時に大切にしてきたことが「相手の立場に立って物事を考える」ということです。

一見、普通のことに見えますよね。笑

でも、人間関係の基本とも言えることを忠実に行うことが、患者さんや保護者の方との信頼関係に繋がると思っています。

今、なぜお子さんは泣いているのかな？
どこが痛いのかな？

ということを考えながら、どうすれば緩和できるかを医師や看護師とともに取り組みました。

NICUは「新生児集中治療室」と言い、予定より早く生まれた赤ちゃんや病気がある赤ちゃんに対して看護や治療を行うところです。
今回のドラマ「PICU」は、「小児集中治療室」になります。

早産児や低体重児の赤ちゃんが入る保育器。
温度・湿度を保つことで赤ちゃんを守る機械。

 

■子ども医療の喜び

私が病院勤務時代、子どもの患者さんと関わって一番嬉しかったのは、ご本人やご家族が喜んでくれたときです。

ある患者さんで、重度の心身障害をお持ちのお子さんがおられました。

毎日、施設内で過ごされており、ずっと人工呼吸器を付けていました。

ある夏の日、とても暑かった日がありました。

その患者さんに何か楽しいことができないかと思い、

人工呼吸器を付けたまま、プールに入れてあげられないか

と私は医師・看護師に提案しました。

プールといっても学校にあるような大きなものではなく家庭用のビニールプールでしたが、
どうすれば呼吸器を付けたまま入れるか、また入ったときのリスクなどを色々調べ、
何とかいろんな方の助けを借りながら患者さんにプールに入ってもらうことができました。

その時の患者さんやご家族の方の表情は、今でも忘れられません。

 

■患者さんから信頼される医療従事者とは

皆さんは、自分が病気になったらどんな医療従事者に出会いたいですか？
もし自分のこどもが病気になって命の危機に直面したら…。

私なら、信頼できる医療従事者にお願いしたい。

では、「信頼できる医療従事者」ってどんな人でしょう？

ゴッドハンド（神の手）を持つ人ですか？

もちろん命がかかっているので、腕や技術も選択肢の一つですよね。

でも、

態度が冷たかったり
自分と向き合ってくれていなかったり
カルテばかりを見ているような人だと、どうでしょう。

私なら命を預けたくありません（個人的見解です）。

必死に治療に取り組んでくれて、患者さんやご家族の気持ちに寄り添ってくれる。

そんな人だと信頼できませんか？

少し余談ですが、「想像力」というのは医療従事者にとってとても大切な力だと思っています。

病気も内臓も、そのほとんどは外からは見えません。
見えないものを想像力で補い、医療機器を正しく安全に使い患者さんの命を守る。
これは、人間にしかできない力だと思います。

本校の学生たちには、そんな想像力を持った臨床工学技士になってほしいと思います。

 

ここまでお読みくださりありがとうございました。

 

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